[香港 14日 ロイター] - 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は14日、新型コロナウイルス感染の第5波「襲来」による打撃は大きく、1日当たりの新規感染者が過去最多を更新する現状は、香港の対応能力を超えていると指摘した。14日発表の新規感染者数は過去最多。政府は対面授業の中止を発表した。
1日当たりの感染者数は2月初め時点で約100人だったが、2週間で約20倍に増加。病院は病床が不足し、入院要請に応じられない状況になっている。
14日発表の新規感染者は2071人と過去最多。これとは別に暫定陽性者として感染が疑われる人が4500人いる。
長官は、中国政府から検査や治療、隔離措置で支援の申し出があったことを受け、「深刻化している状況」への対応で中国当局と連携する考えを表明。感染者の急増によって、感染判明から隔離施設に入るまでの時間が延びていると説明した。
「極めて望ましくない状況で、政府は懸念し、申し訳なく感じている」と述べた。
医療専門家は3月末までに新規感染者が2万8000人まで増える可能性があると警告している。ワクチン未接種の高齢者が特に懸念材料となっている。
病院当局のデータによると、コロナ患者向け病床の使用率は既に90%に達しており、隔離施設も収容率が100%に近い。
香港では、3人以上の公の集まりが禁止されているほか、学校、教会、ジムなど大半の施設が閉鎖されている。午後6時以降の店内飲食は禁止。大半の人が在宅勤務をしている。
政府は14日、全ての学校を対象に、対面授業を3月6日まで中止すると発表した。
立法会(議会)は、社会的距離規制で打撃を受けた企業・個人を支援するため270億香港ドル(34億6000万ドル)を支出する計画を審議する予定。