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経済は依然コロナで下押し圧力、引き続き注意必要=中川日銀委員

発行済 2022-08-31 18:07
更新済 2022-08-31 18:09
© Reuters. 8月31日 日銀の中川順子審議委員は31日、函館市金融経済懇談会後の記者会見(オンライン形式)で「経済は依然として新型コロナウイルスによる下押し圧力を受けており、引き続き

[東京 31日 ロイター] - 日銀の中川順子審議委員は31日、函館市金融経済懇談会後の記者会見(オンライン形式)で「経済は依然として新型コロナウイルスによる下押し圧力を受けており、引き続き注意が必要な状況だ」と述べた。ただ、利下げバイアスを含む政策金利の先行き指針については、毎回の金融政策決定会合で議論すべきもので、9月の決定会合時の経済・物価情勢を踏まえて判断したいと話した。

新型コロナ対応オペについては「一定の利用はまだ見られるものの、残高は減ってきている」とする一方、「今後の感染状況や中小企業などの資金繰りの方法について、引き続き情報収集しながら9月の決定会合で判断したい」と述べた。

日銀は、コロナの影響を注視しながら必要があれば躊躇なく追加緩和を講じるスタンスをとっている。中川委員はこうした金融政策の先行きを示す文言は「必ずしもコロナオペと直接連動させるべきものではないと理解している」と話した。

© Reuters. 8月31日 日銀の中川順子審議委員は31日、函館市金融経済懇談会後の記者会見(オンライン形式)で「経済は依然として新型コロナウイルスによる下押し圧力を受けており、引き続き注意が必要な状況だ」と述べた。2019年1月、都内の日本銀行本店前で撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

7月の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は前年同月比プラス2.4%となり、7月の展望リポートで示した2022年度の物価見通しプラス2.3%を上回った。市場では、携帯電話通信料の下押しが完全に剥落する今年10月にコアCPIの伸びが3%に達する可能性が指摘されている。

中川委員は「欧米の物価高が時間差を生じて日本にも波及している」とする一方、コアCPIは非常に動きやすく、基調的なデータを踏まえながら物価の動きを見極めていきたいと話した。金融緩和の継続については「今の時点で、前回7月の決定会合の内容以上に伝えるべき変化はない」と述べた。

(和田崇彦 編集:青山敦子)

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