[31日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は31日、2021年の米国人の平均寿命が76.1歳となり、1996年以来の短さになったとの暫定値を発表した。前年より約1歳短くなった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で亡くなった人が相次いだ影響で、短縮幅は2年連続で記録的な大きさとなった。
男女間の平均寿命の差も2021年に拡大し、20年超ぶりの大きさとなった。男性は73.2歳で、女性より6年近く短いと見込まれている。
21年の平均寿命が短くなった要因の半分は、新型コロナによる死亡の影響。薬物の過剰摂取や心臓病も大きな要因だった。
CDCによると、21年に新型コロナの関連による死亡者数46万人超だった。
20年の米国人の平均寿命の前年比短縮幅は、第二次世界大戦終了後の年間として最大だった。短縮要因のうち75%近くが新型コロナ関連での死亡の影響だった。
CDCの国立衛生統計センター(NCHS)で死亡率統計のチーフを務めるロバート・アンダーソン氏は「22年の死亡率は20年より少し改善しているので、平均寿命が少し延びる可能性があると思う」と述べた。
ただ、22年の平均寿命が新型コロナ禍前の水準に戻る可能性は低いとし、通常は冬季に死亡者が増えるため年末にかけての状況に大きく左右されると指摘した。