[シンガポール 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表した8月の1日当たりの石炭生産は3カ月ぶりの低水準だった。
主要生産地の内モンゴル自治区と陝西省で8月中旬以降、豪雨と新型コロナウイルス規制を受けて、生産を停止・縮小する動きが出た。
8月の生産量は3億7044万トン。
1日当たりの生産量は1195万トン。前年同月は1081万トン、前月は1202万トンだった。
1─8月の石炭生産は前年比11%増の29億3000万トン。
中国石炭輸送・流通協会によると、山西省・陝西省・内モンゴル自治区の442炭鉱の8月の平均稼働率は82.4%と、2月以降で最低。
データ分析コンサルタント会社Kayrrosによると、8月20日の石炭火力発電は9.89テラワット時と、記録的な水準付近まで増加。猛暑でエアコン需要が拡大したほか、深刻な干ばつで水力発電が抑制された。
国家統計局によると、8月の発電量は過去最高の8248億キロワット時。
石炭消費は今後、気温の低下に伴い減少する見通し。ゼロコロナ政策も引き続き産業部門の需要を抑制する公算が大きい。
Kayrrosによると、9月8日の石炭火力発電量は8月20日のピーク時から15.7%減少している。
8月下旬の炭鉱事故で1人が死亡したことや10月の共産党大会が近づいていることを受け、炭鉱の安全基準強化が石炭生産を抑制する要因になるとみられている。