〇弱気心理の是正糸口を探る〇
先週の日本株は、23日(水曜日)に寄付で日経平均19500円を超えたのみで、19400円を挟んだ狭いレンジに終始した。
円高懸念が強かった為替はドル円109円台攻防が中心だったが、ドル建て日経平均が瞬間176.75ドルまで低下し、178-180ドルのレンジを維持できなかった。
東証空売り比率が40%超で推移し、売り方が警戒する日銀のETF購入は21日の1回限り(8月は既に8営業日購入、金額は異なるが7月6営業日、6月5営業日を上回る)に止まった。
市場の弱気目線は修正されなかったと考えられる。
週間で見ると、TOPIXは+0.11%、ほぼ横ばい。
15業種が上げ18業種が下落した。
下落トップは証券・商品先物の-2.02%。
銀行-1.48%保険-1.36%、その他金融-1.16%と金融が軒並み下げた。
製造業では水産・農林-1.63%、鉄鋼-1.56%、食品-1.46%、ゴム製品-1.08%が1%超の下落。
「トヨタ鋼板値下げ」で売り込まれた鉄鋼株を中心に製品市況下落に反応した動きだったように思われる。
注目のジャクソンホール会合では、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁とも金融政策への言及はなく、事前に「ユーロ売りに警戒ムード」と伝えられていたことから、買戻しと見られる動きでユーロが急伸する場面があった程度。
強いて言うなら、両氏ともトランプ政権の規制緩和し過ぎに懸念を表明、金融規制緩和期待が後退した。
日本株の金融株軟調がそれを先取りしていたとすれば、そう寝ぼけた相場ではないことを意味する。
週末、既に解任されたバノン氏の盟友とされるゴルカ大統領副補佐官のが辞任した。
イスラム過激派の専門家で、理論派の保守強硬姿勢で知られていた。
先週発表されたアフガニスタン戦略に不満を表明していたと伝えられる。
表面上は、トランプ政権の「穏健現実路線」が強まると受け止められる。
なお、アフガン4000人増派の話が出ているが、戦略的にはアフガン問題の深刻化と言うより、中印摩擦の激化、ロシアのウクライナ東部侵攻リスクなどを睨んだ地上軍配備との見方がある。
牽制が功を奏せば、抑止力になると考えられる。
まだ気にするレベルでないかも知れないが、25日の上海総合指数は上値の壁と見られていた3300ポイントを突き抜けた(+60ポイントの3331.52)。
資金流出を抑え、余剰資金が国内(香港を含む)に滞留し、こちらは銀行株指数が+3.2%で牽引役。
好決算で国有企業改革のペースが速まっているとの見方が出ているようだ。
中国人民解放軍の参謀長に習近平派就任と伝えられ、北戴河会議では長老の出番は無かったとされる。
体制固めに成功した習主席が内外に攻勢を掛けるとの見方も出ており、中国の動きが波乱の目になるリスクがある。
今週は週末の米雇用統計を中心に、月末・月初の経済統計の週。
政治情勢の落ち着きが前提ながら、強気姿勢が戻るような経済指標の流れになるか注目されるところだ。
日経平均19800円の攻防に向かうとの見方を継続する。
以上
出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/8/28号)
先週の日本株は、23日(水曜日)に寄付で日経平均19500円を超えたのみで、19400円を挟んだ狭いレンジに終始した。
円高懸念が強かった為替はドル円109円台攻防が中心だったが、ドル建て日経平均が瞬間176.75ドルまで低下し、178-180ドルのレンジを維持できなかった。
東証空売り比率が40%超で推移し、売り方が警戒する日銀のETF購入は21日の1回限り(8月は既に8営業日購入、金額は異なるが7月6営業日、6月5営業日を上回る)に止まった。
市場の弱気目線は修正されなかったと考えられる。
週間で見ると、TOPIXは+0.11%、ほぼ横ばい。
15業種が上げ18業種が下落した。
下落トップは証券・商品先物の-2.02%。
銀行-1.48%保険-1.36%、その他金融-1.16%と金融が軒並み下げた。
製造業では水産・農林-1.63%、鉄鋼-1.56%、食品-1.46%、ゴム製品-1.08%が1%超の下落。
「トヨタ鋼板値下げ」で売り込まれた鉄鋼株を中心に製品市況下落に反応した動きだったように思われる。
注目のジャクソンホール会合では、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁とも金融政策への言及はなく、事前に「ユーロ売りに警戒ムード」と伝えられていたことから、買戻しと見られる動きでユーロが急伸する場面があった程度。
強いて言うなら、両氏ともトランプ政権の規制緩和し過ぎに懸念を表明、金融規制緩和期待が後退した。
日本株の金融株軟調がそれを先取りしていたとすれば、そう寝ぼけた相場ではないことを意味する。
週末、既に解任されたバノン氏の盟友とされるゴルカ大統領副補佐官のが辞任した。
イスラム過激派の専門家で、理論派の保守強硬姿勢で知られていた。
先週発表されたアフガニスタン戦略に不満を表明していたと伝えられる。
表面上は、トランプ政権の「穏健現実路線」が強まると受け止められる。
なお、アフガン4000人増派の話が出ているが、戦略的にはアフガン問題の深刻化と言うより、中印摩擦の激化、ロシアのウクライナ東部侵攻リスクなどを睨んだ地上軍配備との見方がある。
牽制が功を奏せば、抑止力になると考えられる。
まだ気にするレベルでないかも知れないが、25日の上海総合指数は上値の壁と見られていた3300ポイントを突き抜けた(+60ポイントの3331.52)。
資金流出を抑え、余剰資金が国内(香港を含む)に滞留し、こちらは銀行株指数が+3.2%で牽引役。
好決算で国有企業改革のペースが速まっているとの見方が出ているようだ。
中国人民解放軍の参謀長に習近平派就任と伝えられ、北戴河会議では長老の出番は無かったとされる。
体制固めに成功した習主席が内外に攻勢を掛けるとの見方も出ており、中国の動きが波乱の目になるリスクがある。
今週は週末の米雇用統計を中心に、月末・月初の経済統計の週。
政治情勢の落ち着きが前提ながら、強気姿勢が戻るような経済指標の流れになるか注目されるところだ。
日経平均19800円の攻防に向かうとの見方を継続する。
以上
出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/8/28号)