3月の 非農業部門雇用者数は予想を上回る雇用を創出し、市場には安心感が流れた。17万5,000人のコンセンサス予想を上回る19万6000人の増加となり、失業率は3.8%と予想通りだった。
2月の低迷後のこの良好な結果は、労働市場に対する信頼を回復させた。水曜日に発表された ADP非農業部門雇用者数が弱かったこともあり結果が心配されていた。
発表すぐの反応では、米国の株式指数先物は上昇し、 S&P 500先物は0.4%上昇した。 ドルインデックスは多少上昇した後、下落に転じた。
注目された平均時給は前年比3.2%となり、前月の3.4%から減少したが、エコノミストは前月から変化なしと予想していた。前月比でも0.1%に減少している。
賃金の上昇鈍化は、連邦準備制度理事会による最近の「辛抱強い」金融政策を支持する形となった。FRBは3月のFOMCで金利を据え置き、2019年の利上げは予測していないと述べた。同時に、9月にバランスシートの縮小を中止すると発表していた。
この2つの政策変更は、FRBが経済見通しについてより懸念するようになったことを意味する。一部のアナリストは、貿易戦争に悩まされている米国経済および世界経済に対する懸念が現実のものとなれば、政策金利の次の変更は利下げとなる可能性があると示唆している。特に中国とヨーロッパ経済の鈍化は、不安定な金融市場と低迷するインフレと相まって、FRBの「忍耐強い」姿勢を後押ししていた。