[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した8月の鉱工業生産指数は、予想に反して上昇した。
ただアナリストは、製造業の不況が終わったわけではないとの見方を示している。
8月の鉱工業生産指数は前月比0.3%上昇した。市場予想は0.1%低下だった。
経済省によると、中間財と資本財の生産増加が指数を押し上げた。
7月の指数は、当初発表の0.6%低下から0.4%低下に上方改定された。
輸出主導型のドイツ製造業は既にリセッション入りしており、経済全体の重しとなってきた。第2・四半期のドイツ国内総生産(GDP)はマイナス成長だった。
VPバンクのトマス・ギッツェル氏はリポートで、8月の鉱工業生産指数は独経済がリセッションを何とか回避できる可能性を示したとの見方もあるかもしれないが、上昇は一時的だと指摘。
「9月の鉱工業生産指数はマイナスになるだろう。第3・四半期のGDPは少なくとも小幅なマイナスとなる」と述べた。
INGのピーター・バンデン・ホート氏も、ドイツ製造業のトレンド反転に言及するのは時期尚早だと指摘。「見通しは厳しい。世界貿易が停滞する限り、ドイツの製造業とドイツ経済全体は、ほぼ確実に低迷する」と述べた。
同氏は「来年初めには、追加の予算措置が導入される可能性があり、来年中に景気が上向くかもしれない」との見方も示した。
ドイツ国内では景気対策を求める声が強まっている。
ドイツ卸売・貿易業連合会(BGA)は8日、同国の今年の輸出の伸びの予測を最大0.5%に下方修正した。従来予測は1.5%だった。
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