[2日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ (N:BRKa)が発表した第3・四半期決算は、営業利益の伸びが市場予想を上回った。一部事業の好調が貿易摩擦などの悪影響を打ち消した。
営業利益は、前年同期比14%増の78億6000万ドル(クラスA株の1株当たり4816ドル)となった。リフィニティブ/IBESがまとめたアナリストの平均予想は1株当たり4405.16ドル。
純利益は11%減の165億2000万ドル(クラスA株の1株当たり1万0119ドル)だった。投資利益の減少が響いた。
米国の会計基準では評価益の計上が義務付けられており、バークシャーはアップル (O:AAPL)とバンクオブアメリカ (N:BAC)の保有株について評価益が出た。バフェット氏は、評価益計上がもたらす業績の変動は投資家に誤った情報を与える可能性があると指摘した。
9月末の現金・現金等価物は、7億ドル相当の自社株買いを実施したにもかかわらず、過去最高の1282億ドルに上った。
CFRAリサーチの株式アナリスト、キャシー・ザイフェルト氏は「蓄積された現金が効果的に使われていないという不満が、投資家の間で募っている」と指摘。「逆に言えば、バークシャーの株価は景気が弱含む局面で堅調になる傾向がある」とした。
鉄道事業BNSFは、利益が5%増の14億7000万ドル。旅客需要だけでなく、石炭や工業製品、農産品の貨物需要が新たな通商政策などの影響で低下し、減収となったが、コスト削減で増益を確保した。
保険引受業の利益は、ほぼ横ばいの4億4000万ドル。自動車保険のゲイコは保険金支払い請求が増加したが、再保険事業の改善がこれを相殺した。
バークシャーは、日本に広範な被害を及ぼした台風19号「ハギビス」が第4・四半期の引受業を圧迫する公算が大きいと見込んでいる。