[ロンドン 21日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は21日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)ベースのスワップ取引の提供を2020年第1・四半期から中止するよう銀行に求めた。
FCAはLIBORの算出が2021年末に中止され、英中銀が算出するポンド翌日物平均金利(SONIA)が代替金利になるとの見通しを示した。
ロンドンで講演したFCAの市場・ホールセール政策担当ディレクター、エドウィン・スクーリング・ラター氏は「ポンドの金利スワップ市場では、マーケットメーカーが2020年第1・四半期からSONIAを市場慣行とすることを奨励する」と発言。
現段階では、SONIAではなくLIBORを利用する特別の理由がある場合、ポンド建てのLIBORベースのスワップ取引は可能だが、SONIAベースのスワップが標準になるとしている。
同氏は「SONIAベースのスワップのインフラと流動性はすでに存在しており、比較的低コストで実現できるはずだ」との認識を示した。
同氏によると、ポンド建ての変動利付債の新規発行や証券化ではLIBORではなくSONIAがすでに「標準」になっており、新たな住宅ローンでLIBORを利用するケースもまれ。
ただ2021年末以降に期限が到来するポンド建てのスワップでは、かなりの取引が新たにLIBORベースで締結されており、企業向け融資でも、引き続きLIBORの利用が一般的になっているという。