[東京 25日 ロイター] - 財務省は25日午後、国債市場特別参加者会合を開き、2020年度の国債発行額に関してヒアリングを行った。財務省幹部によると、参加者の多くは、市場機能が残っている超長期ゾーンは残高の維持が必要との認識で一致。中でも40年債については、足元の需給を踏まえ、発行増の検討を求める意見が出たという。
一方、10年以下のゾーンについては、減額可能との意見があった。
財務省幹部は「ニーズは聞くが、これがストレートに来年度の発行額に結びつくわけではない」と強調した。
40年債の直近のカレンダーベース市中発行額(当初)は16年度が2.4兆円(9月変更後2.8兆円)、17年度が3.0兆円、18年度と19年度がそれぞれ2.4兆円で、20年度に仮に増額となれば3年ぶりとなる。
国債発行を巡っては、2019年度補正予算規模や税収見通しに絡んで思惑が出やすい状況にある。自民党の世耕弘成参院幹事長は22日の会見で、補正予算について真水(財政支出)で10兆円、事業費で20兆円規模が必要で、必要なら特例国債(赤字国債)を発行すべきとの見解を示した。
今年度の税収見通しが当初計画の62.5兆円を「下回る可能性が十分にあり得る」(麻生太郎財務相、19日の閣議後会見)ことも思惑に拍車をかけている。今年度の税収見通しが下振れれば、来年度の国債発行計画に影響する可能性もある。
財務省幹部は、仮に市中発行額を変えない場合、40年を増やして、10年以下を減らす可能性について「40年債をどうするかはこれからの議論だが、選択肢としてはあるかもしれない」と語った。ただ「全体の減額が必要となれば、そうでない対応もある」とも強調した。