[リュブリャナ 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのバスレ・スロベニア中銀総裁は、ユーロ圏経済の再生はECBではなく、域内政府にかかっているとし、構造改革や財政政策の重要性を訴えた。14日付の国内紙Dnevnikに掲載されたインタビュー記事で述べた。
ECBは過去数年にわたって異例の緩和策を実施してきたが、経済成長はさえないままで、政策当局者らは政府に支出拡大を求める声を強めている。
バスレ総裁は「構造政策は重要で、おそらく長期的には経済成長を促進する唯一の機会となる」と語った。
「われわれは生産性の伸びが鈍化していることを認識している。ほとんどの国では十分注目されていないが、欧州は人口動態を巡る問題に直面している。一部の変化はより速いペースで起きており、対応が不十分な国は成長の可能性が弱まっている」と指摘した。
また、ECBの金融政策について、副作用が「より顕著」になりつつあると指摘。「マイナス金利や過剰流動性は銀行システムに圧力をもたらしており、年金基金など金融市場の他の分野にも影響する可能性がある」と語った。
一方、経済成長率とインフレ率はECBの措置がなかった場合と比べると高く、政策はプラス面が「依然として優勢」との認識を示した。
総裁は、過去数年に金融政策がさまざまな形で需要全体に影響を与えることを目指してきた中、他の政策はそれほど積極的ではなかったと指摘。「成長に必要な財政政策と構造政策を主に念頭に置いている」とし、域内共通の財政力構築が1つの方策だと述べた。
また、ECBはラガルド新総裁の下、引き続き物価安定の確保に注力していく見通しだとした。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191216T023835+0000