[14日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は14日、新型コロナウイルス感染拡大による危機からの回復の道のりは「長く」、米国の失業率が実際は24─25%まで上昇していると考えられる中、議会は一段の失業対策を打ち出す必要があると述べた。
カシュカリ総裁はミネアポリス・エコノミッククラブが主催したオンラインセミナーで、「われわれは経済戦争の最中にある」とし、「現時点では失業者に現金を届ける必要がある」と述べた。
米国では感染拡大抑制に向け外出制限などの措置が取られ始めた3月中旬以降からの新規失業保険申請件数が3650万件に達したほか、労働省が8日に発表した4月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月から2050万人減少、失業率は14.7%と戦後最悪となった。
失業率については、職探しができないでいる失業者が統計に反映されていないため、カシュカリ氏を含む当局者は実際はこれを上回っているとの見方を示している。
カシュカリ総裁が本拠とするミネソタ州を含め、多くの州が経済活動を一部再開した。ただ、カシュカリ氏はワクチンや有効な治療薬がない中、人々が通常の生活に戻るリスクは取らない可能性があり、これにより経済の回復は遅延すると予想。政府がこれまでに打ち出した支援策で企業破綻が回避されるなど効果はあったとしながらも、総額6600億ドル規模の給与保護プログラム(PPP)の期限が切れた後に企業破綻が急増し、経済回復の足取りが一段と鈍くなる恐れがあると警告した。