[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が発表した4月の小売売上高は、暫定ベースで季節調整済み前月比17.9%減少と過去最大の落ち込みを記録した。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため全国的に移動が制限され、衣料品や旅行、外食への需要が打撃を受けた。
3月の小売売上高はパニック買いを背景に8.5%増加し、過去最大の伸びとなっていた。
統計局は、衣料品や履物などの小売店、カフェ、レストランの売り上げは2019年4月の半分程度に落ち込んだと指摘した。
小売売上高の確報値は6月4日に発表される。
豪銀大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)によると、同行のプラットフォーム上のデビットカードやクレジットカードなどによるキャッシュレス消費をまとめた4月の小売売上高指数は5.3%低下。
NABグループのチーフエコノミスト、アラン・オスター氏は、裁量的な消費の穴はすぐには埋まらないと指摘。「最新の自社予想では、失業率は年央までに11.7%に達し、コロナ危機前の水準を今後18カ月にわたり上回り続ける」と語った。
その上で、オーストラリア経済を危機前の水準に近づけるには一段の財政刺激策がおそらく必要になるとした。
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