[ロンドン 10日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第3・四半期の一時帰休者は前期比18万1000人増加し、過去最多の31万4000人となった。
失業率は4.8%へ上昇した。ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致し、2016年9─11月期以来の高水準となった。
9日には、米製薬大手ファイザー (N:PFE)などが開発する新型コロナウイルス感染症ワクチンが、後期臨床試験で高い効果を示す結果が報告され、一般市民や投資家は歓迎したが、今回の英雇用統計は、多くの英国民にとって今後も厳しい日々が続くことを示唆した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「失業率が4.8%と、6─8月の4.5%から悪化したことは、雇用対策を縮小したことが影響している」と指摘。「2度目のロックダウン(都市封鎖)で景気回復の反転が見込まれる中、失業率は来年、9%程度にまで上昇する可能性がある」とした。
イコールズ・グループのチーフエコノミスト、ジェレミー・トムソンクック氏は「過去数カ月の一時帰休が過去最高の31万4000人となったことは、残念ながら多くの人にとって政府の追加支援が遅過ぎたことを示している」と指摘した。
就業者数は16万4000人減と市場予想の14万8000人を上回る減少幅となった。
英中銀は先週、英国の失業率は今年末までに6.3%に上昇し、来年第2・四半期に8%付近でピークとなる、との見通しを示している。
スナク英財務相は先週、一時解雇された労働者の給与を80%補償する政策を来年3月末まで延長。そのほかにも数十億ポンド相当の各種支援策を発表した。
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