[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日に発表した11月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比7.6%増の1476兆1000億円となり、伸び率・残高ともに過去最高を更新した。預金通貨の伸びが続いていることに加え、一時的に大口預金がCDに振り替わったこともM3を押し上げた。
M3のうち、預金通貨は15.2%増の814兆1000億円、現金通貨は6.0%増の108兆4000億円。いずれも伸び率は前月と同じだったが、残高は過去最高。CDは5.5%増の32兆7000億円となり、伸び率は前月の1.8%を大きく上回った。
M2は9.1%増の1132兆1000億円で、伸び率・残高とも過去最高。広義流動性は5.4%増の1926兆円となり、残高が過去最高となった。広義流動性の構成項目のうち、投資信託は0.1%減、外債は0.7%減でいずれも2019年9月以来の減少率となった。投信は伸び率が高まった前年の反動、外債はドル安・円高の進展が要因とみられる。
(和田崇彦)