[ローマ 6日 ロイター] - イタリア銀行(中央銀行)のビスコ総裁は6日、同国経済は成長が加速しており、向こう2年はこうした力強さが維持されるとの見方を示す一方、小規模銀行のいくつかは今後数カ月以内に危機に直面する可能性があると述べた。
イタリア銀行協会で講演し、「(昨年の大幅な景気後退を受けた)景気回復が強固になっている」と指摘。下半期の「明白な(回復の)強まり」を踏まえ、中銀の今年の成長率予測(5%前後)を確認し、「成長局面は強固になり、向こう2年は維持されるだろう」と述べた。
銀行システムについては、国内銀行は堅固な資本準備を持ち、融資総額に対する新規不良債権比率は1.1%で安定していると指摘。昨年の景気後退を受けて不良債権は向こう数カ月で拡大しそうだとしつつ、政府の支援措置や低金利、良好な経済見通しを背景に拡大幅はこれまでの景気後退後に比べると抑制されるとの見通しを示した。
一方で、一部の小規模銀行は「深刻な脆弱性」を抱えており、数カ月以内に問題に直面する可能性があると警告。「近いうちの銀行危機の可能性を排除できない」とした。
また、問題は小規模銀行にとどまらないと指摘。中銀は「一部の大手および中堅銀行に関する危機の可能性に対し、実行可能な解決策を評価している」と述べた。具体的な銀行名は挙げていない。