[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日公表した8月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は、赤字額が前月比0.9%増の876億ドルだった。経済の正常化で国内需要が強く、企業が在庫を補充するための輸入が増えた。貿易が第3・四半期も国内総生産(GDP)の重しになる可能性を示した。
モノの輸入は0.8%増の2366億ドル。消費財が4.6%増加。産業用資材も3.0%増えた。一方、食品と資本財、自動車は減少。自動車の輸入減は、生産を抑制している世界的な半導体不足を反映している可能性が高い。
モノの需要は多くの人が新型コロナウイルスワクチンを接種し、消費が旅行のようなサービスへ移行する中でも力強さを保っている。
モノの輸出は0.7%増の1490億ドルだった。世界経済の回復で、産業用資材や消費財が増えた。一方、資本財や自動車、食品は減少した。
輸入が増え、卸売業者や小売業者の在庫も増加した。8月の卸売在庫(速報値)は前月比1.2%増だった。7月は0.6%増加していた。小売在庫は0.1%増加。7月は0.4%増だった。半導体不足により自動車の在庫が1.5%減ったことが響いた。7月は0.2%増だった。
GDPの算出に用いられる自動車を除く小売在庫は0.6%増えた。7月は0.5%増加していた。