[ローマ 29日 ロイター] - イタリア政府は29日、新型コロナウイルス危機からの景気回復が予想以上に進んでいることから、今年の公的債務残高が従来予想の国内総生産(GDP)比159.8%から153.5%に縮小する見通しを示した。
来年は149.4%に低下する見通し。昨年は155.6%と戦後最高だった。
経済財政文書によると、今年の経済成長率は6.0%と予想され、ロックダウン(都市封鎖)で8.9%という過去最大のマイナス成長を記録した昨年から部分的に回復する見込み。
ドラギ首相は「経済はわれわれが春に考えていた状況よりはるかに良好だ」と指摘。来年は4.7%の成長が見込まれ、年半ばにはコロナ禍前水準を上回るとみられる。また短期的には、第2・四半期が2.7%、第3・四半期は2.2%のプラス成長が予想される。
ドラギ氏は、ユーロ圏でギリシャに次ぐ高い割合となっている公的債務を引き下げるには成長率を押し上げるのが最善であることが最新見通しで分かったとし、来月発表する政府の2022年予算が「かなり拡張的」なものになると表明した。
経済財政文書は、今年の財政赤字目標をGDP比9.4%とし、昨年の9.6%とほぼ同水準、4月予想の11.8%から引き下げた。来年は5.6%、2024年は3.3%と予想した。