[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した9月の工業部門企業利益は、前年同月比16.3%増の7387億4000万元(1157億2000万ドル)だった。コスト高や供給制約に利益が圧迫された分野もあったが、鉱業と原材料産業がけん引し、増益率は8月の10.1%を上回った。
中国政府は、金属価格の上昇抑制や電力不足の緩和に向け、一連の対策を講じている。
炭鉱・選炭産業の利益は1─9月に172.2%、燃料加工産業の利益は930%、それぞれ増加した。
一方、電力会社の1─9月利益は石炭の供給逼迫や価格上昇に圧迫され、24.6%減少した。
統計局の朱虹氏は、コモディティー(商品)価格の高騰やサプライチェーンの問題が引き続き、企業利益の重しとなっていると指摘。「上流と下流の利益の不均衡はかなり顕著で、工業部門利益の回復基盤はまだしっかりとしたものではない」と述べた。
1─9月の工業部門企業利益は前年同期比44.7%増の6兆3400億元。1─8月の49.5%増から鈍化した。
工業部門企業の9月末時点の負債は前年同期比8.2%増。8月末時点は8.4%増だった。
工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元を超える大企業が対象。