[チェルニヒウ(ウクライナ) 26日 ロイター] - ウクライナは国内に滞留している穀物を陸上や河川経由などで輸出しようとしているが海上輸送よりも効率が悪く、ロシアが黒海の港の封鎖を解かない限り輸出量が目標に達する可能性はほとんどない。政府高官が明らかにした。
2月24日の軍事侵攻前、ウクライナは月当たり最大600万トンの小麦、大麦、トウモロコシを輸出する能力があったが、3月に30万トンに急減し、4月も110万トンにとどまった。
ウクライナ農業食料省の高官、ロマン・ルサコフ氏はアフリカなどの国々はウクライナからの食料を切望していると指摘。「港が必要だ。しかし、鉄道輸送も改善できるし、河川港も良い仕事をしてくれるはずだ」と述べたが、それでも月間輸出量600─700万トンには届かず、200万トンが当面の目標だと述べた。
同省はドナウ川の小規模港からルーマニアに月70万─75万トンを輸送し、残りは陸上および鉄道経由で欧州に届けたい考え。ただ、5月1─22日の陸上輸送量はわずか2万8000トンにとどまった。
鉄道は陸上より有望だが、レール幅が狭い欧州各国に渡る際に積み荷を載せ替える必要があるなど、手間とコストがかかる。
国連食糧農業機関(FAO)の高官はウクライナ南部の港湾都市オデーサ(オデッサ)を「再開する必要がある」と強調し、外交的解決に向けた協議を呼びかけた。
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