[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.3%減少した。エコノミストの事前予想の0.2%増で、1.1%減から0.5%増まで幅があった。
4月は0.7%増と、前回発表の0.9%から下方改定された。
商品不足で自動車購入が減少し、記録的なガソリン価格高騰のあおりで他の商品の支出が減ったため、予想に反して減少した。
米エネルギー情報局によると、5月の全米平均ガソリン価格は1ガロン4.439ドルと過去最高値に跳ね上がった。
自動車は3.5%減と、4月の1.8%増からマイナスに転じた。オンラインストアは1.0%減少。家電量販店や家具店なども減少した。
一方、建築資材・園芸は0.2%増、スポーツ用品・趣味・楽器・書籍は0.4%増、衣料品は0.1%増となった。
ガソリンスタンドは4.0%増。ガソリンスタンドを除く小売売上高は0.7%減だった。
小売売上高の減少は、消費者の支出がモノからサービスへと徐々に回帰していることも反映している。小売売上高の大部分はモノが占めており、インフレ調整をしていない。唯一のサービス部門として集計されているバーやレストランは0.7%増加した。
ウェルズ・ファーゴ(米ノースカロライナ州シャーロット)のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「家計貯蓄がかなり蓄えられていることが、ここまでインフレ圧力が高まる中でのやりくりに役立っている」と語った。
5月の自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は横ばいだった。4月分は0.5%増と、前回発表の1.0%増から下方改定された。コア小売売上高は、国内総生産(GDP)の個人消費項目に密接に関連している指標とされる。
ハイフリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州)の米国担当チーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「5月のデータはモノ消費の勢いが弱まっていることを示している。高インフレと今後の急激な金利上昇に対する消費者の反応は重要で、今後数カ月の成長の軌道を決定することになる」と述べた。