[北京 5日 ロイター] - 財新が5日発表した6月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は54.5と前月の41.4から上昇し、2021年7月以来の高水準となった。景況改善・悪化の分岐点となる50を上回るのは2月以来4カ月ぶり。
新型コロナウイルス対策の規制が緩和されたことで需要が回復した。ただ企業は雇用には依然として慎重だった。
軟調な不動産市場や個人消費、感染再拡大を巡る懸念などが引き続き経済の逆風となっている。
中国本土の週末の新型コロナ新規感染者は300人以上と、6月下旬の数十人から増加。ここ数日、感染者が増えている。
野村によると、4日時点で11都市が全面的もしくは部分的ロックダウン(都市封鎖)か地区ごとの規制を導入している。先週は5都市だった。
6月30日に発表された中国国家統計局の6月非製造業PMIも4カ月ぶりに50を上回り、13カ月ぶりの高水準を記録していた。小売業や道路運送業など、新型コロナに関する制限で大きな打撃を受けた業種で需要が回復した。
財新のPMIでは新規事業指数が52.4と前月の44.8から上昇し、年初来の高水準を付けた。輸出受注の減少ペースも鈍化した。
投入価格は前月とほぼ変わらずで物価圧力も和らいだ。
ただ雇用指数は6カ月連続で50を下回った。コスト削減策やコロナ禍での退職が背景。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「6月はコロナ感染が抑制され規制が緩和されたことから段階的に事業が回復した」と説明。
その上で「労働市場の弱さを背景にした家計の所得減少や期待低下が需要回復を弱めている。従って政策支援は感染拡大で影響を受けた従業員やギグワーカー、低所得層に焦点を当てるべきだ」と述べた。
製造業とサービス部門を合わせた総合PMIは55.3で前月の42.2から上昇した。