[ロンドン 19日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が19日発表した7月の小売売上高(インフレ調整後)は前月比0.3%増と、市場予想の0.2%減を上回った。
インフレで低迷が続いていたが、オンラインの販促活動などが寄与した。ただ家計が40年ぶりの高インフレに直面する中、販売量は再び減少に転じるとみられる。
前年比では3.4%減。市場予想は3.3%減だった。
燃料を除くベースでは前月比0.4%増、前年比3.0%減。市場予想を上回った。
5─7月の小売売上高は前期比1.2%減、前年比3.4%減。5月と6月の売上高は下方修正された。
ONSの統計専門家は「7月はオンライン販売が好調だった。さまざまなセールやプロモーションで販売が増えたとの報告があった。ただ燃料販売は減少した。猛暑で外出が減った形跡がある」と述べた。
オンライン・通信販売は4.8%増と12月以来の大幅な伸びとなった。
アマゾンは7月に有料会員向けセール「プライムデー」を実施した。その他にも、家庭用品など、さまざまなオンライン小売り業者が販売を伸ばした。
他の小売業者は不調で、食品は0.1%の増加にとどまり、衣料品は1.2%減少した。燃料は0.9%減少し、ONSは猛暑で外出が控えられたと分析した。
ただONSは、中・長期的には小売売上高が減少傾向にあると指摘。イングランド銀行(英中央銀行)は国内経済が高インフレで年内に景気後退に突入すると警告している。
EYアイテム・クラブのチーフ経済アドバイザー、マーティン・ベック氏は「高インフレで購買力が圧迫され、消費者信頼感が低迷している。小売業の見通しは依然として厳しい」との見方を示した。