[ベルリン 25日 ロイター] - 独IFO経済研究所が25日発表した8月の業況指数は88.5に低下し、2020年6月以来の低水準を記録した。企業の不透明感が強く、第3・四半期のドイツ経済はマイナス成長となる見通し。
低下は3カ月連続。7月分は88.7に上方修正された。
IFOのクレメンス・フュースト所長は「企業の不透明感は依然として高く、独経済は第3・四半期に縮小するとみられる」と述べた。
この日発表された第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%増と、速報値の横ばいから上方修正されたが、IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は第3・四半期は0.5%ポイントの縮小を予想した。
8月の業況指数は、ロイターがまとめた市場予想(86.8)を上回り、前月から小幅な低下にとどまったが、アナリストは景気後退入りの見方を変えていない。
VPバンクのチーフエコノミスト、トマス・ギッツェル氏は「状況はもっと悪かった可能性もあり、安堵する理由はない」と述べた。
コメルツ銀行のチーフエコノミスト、ヨーク・クレーマー氏は、消費者と企業はガス危機による打撃を受けていると指摘し、消費者は新型コロナウイルスの流行時に蓄えたお金を使ってしまったようだとの見方を示した。
「今年の後半から来年の第1・四半期にかけて、これまで以上に景気後退色が強まることが予想される」と語った。
IFOによると8月は製造業の業況が前月から変わらず、サービス業の現況は改善した。IFOのボールラーベ氏によると、原材料・供給の目詰まりを指摘する割合は62%で前月の73%から低下し、ここ1年あまりで最も低くなった。