[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、10月の経常収支は641億円の赤字だった。赤字は9カ月ぶり。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は6234億円程度の黒字で、市場予想に反して赤字となった。季節調整済みでは2014年3月以来の赤字となる。
経常収支のうち、貿易・サービス収支は2兆5978億円の赤字だった。貿易収支が赤字に転じ、赤字幅をさらに広げた。貿易収支は1兆8754億円の赤字だった。
統計によると、10月の輸出額が8兆9892億円だったのに対し、輸入は10兆8646億円に膨らんだ。サービス収支は7224億円の赤字だった。
第1次所得収支で2兆8261億円の黒字を確保したが、貿易関連の赤字を補えきれなかった。第2次所得収支は2924億円の赤字だった。
季節調整済みの10月収支額は6093億円の赤字で、赤字は2014年3月(6802億円の赤字)以来。もっとも専門家の間では「インバウンドが回復に向かい低水準ながらも黒字に復するだろう」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長)との見方が出ている。
*財務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/release_date.htm