[マニラ 15日 ロイター] - フィリピン中央銀行は15日、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、5.50%とした。14年ぶりの高水準にあるインフレを抑制するため、比較的大幅な利上げに踏み切った。
メダラ中銀総裁は今月25─50bpの調整を示唆しており、利上げは確実視されていた。
中銀は追加の引き締めを示唆したが、利上げ幅は小幅になる可能性が高いとの見通しを示した。2023年のインフレ予測も上方修正した。
11月のインフレ率は前年比8.0%と、中銀目標の2─4%を大幅に上回っていた。ロイター調査では、エコノミスト21人全員が50bpの利上げを予想していた。
利上げは今年7度目。前日の米連邦準備理事会(FRB)と同じ利上げ幅で、米国との金利差を維持し、最近下落しているペソ相場を下支えするとみられている。
アナリストは、政策金利のピークを6.00%と予想している。
総裁は「広範なインフレ圧力、インフレの根強い上振れリスク、インフレ期待の高止まりを踏まえ、理事会は総合インフレ率をできる限り早期に目標に戻すため、積極的な金融政策行動を取る必要があると考えている」と述べた。
来年のインフレ予測は4.3%から4.5%に引き上げた。総裁は「インフレ率を中期的に政府の目標レンジの2─4%に戻すため、必要な全ての措置を講じる用意がある」と表明した。
ただ、今回の50bpの利上げ幅は、現在の引き締め局面では最後になる可能性が高いとの見方も示した。
INGのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は、恐らく来年も追加利上げがあるだろうと予想。主要金利はすでに「明らかに制約的な領域」にあり、需要を抑制していると述べた。来年下半期に利下げの可能性があるという。
中銀は2024年のインフレ予測を3.1%から2.8%に下方修正した。原油価格が下落するとみられることが理由。
総裁は政策金利が6.0%に達するかどうかを「言うのは難しい」と述べた。