[北京 3日 ロイター] - 財新/S&Pグローバルが3日発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0と前月の51.6から低下した。生産の減速と海外需要の低迷が響いており、新型コロナウイルス禍後の景気回復について不透明感が強まった。
ロイターがまとめた市場予想の51.7を大幅に下回った。PMIは50が景況悪化と改善の分かれ目となる。
中国国家統計局が31日発表した3月の製造業PMIも改善ペースの鈍化を示していた。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「景気回復の基盤がまだ強固ではない。先行きについては、経済成長は引き続き内需の復調次第で、特に家計消費の改善にかかっている」と述べた。
「政府は雇用安定、家計所得の増加、市場期待の改善に懸命に取り組んではじめて、消費の回復・拡大の目標を達成できる」とした。
中国紙証券時報は3日、第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率が4.0%程度になったと報じた。消費が拡大し、インフラ投資も高い伸びを維持したとしている。
PMIでは生産と需要のサブ指数がともに低下し、減速を示した。
新規輸出受注は49.0。2月に一時的に拡大したものの、再び縮小局面となり海外需要が引き続き弱いことが示された。
キャピタル・エコノミクスは調査ノートで「第1・四半期の製造業PMIの回復が比較的控え目で短命に終わったことは、経済再開による工業部門の押し上げ効果が限定的にとどまったと示している」と指摘。
「これは世界的に弱い状況が一因だが、ゼロコロナ政策で最も打撃を受けたサービス部門が経済再開に伴う景気回復の起点に大概なるという当社の見方と整合的だ」と分析した。
中国の李強首相は先週、消費と投資を支えて成長を促進する意向を表明。中国人民銀行(中央銀行)は先月に銀行の預金準備率を引き下げた。
シティは調査ノートで中国政府の「新たな経済チームが始動し、企業寄りの政策がさらに打ち出される可能性が高い。ただ、われわれの刺激策への期待は低い」とした。
*内容を加えました。