[ストックホルム 28日 ロイター] - ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は28日、先月の銀行セクターを巡る混乱は欧州連合(EU)の金融機関にほとんど影響を与えなかったものの、ソーシャルメディアによって伝えられる情報の速さを考慮すると銀行セクターの耐性を一段と強めることが依然として急務と表明した。
ドナフー議長は会合後の記者会見で「金融セクターにおける最近の出来事の展開の速さは、今日の議論から浮かび上がった重要なテーマだ」と指摘。2008年の世界金融危機を受けてEUが導入した規制により、EUの銀行には耐性があり安定しているが、「最近の出来事から、われわれにはまだやるべきことがあることを思い知らされた」と述べた。
欧州安定メカニズム(ESM)のグラメーニャ事務局長は記者会見で「今日のソーシャルメディアでは、リスクや預金の引き出しがあった際に従来より早く伝わるのが実情だ」とした。
欧州委員会は現在欧州の大手銀行100行超に適用されている「破綻処理と預金保険の枠組み(CMDI)」の対象を中小銀行に拡大することを提案しているが、ドナフー議長は「耐性深化に向けた第2段階」として欧州委の提案を支持する見込みとした。
一方、ドイツは自国の地銀が活用しているシステムの混乱につながる恐れがあるとして欧州委の提案に反対している。