[ワシントン 9日 ロイター] - バイデン米大統領は9日、共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導部と債務上限問題について協議を開いたが、双方とも主張を譲らず、平行線に終わった。議会が上限を引き上げなければ、早ければ6月1日にも米国債のデフォルト(債務不履行)に陥る懸念が出ている。
ホワイトハウスでの約1時間の協議後にマッカーシー氏は「新たな動きはなかった」と記者団に語った。土壇場まで交渉を拒んできたバイデン氏を批判し、ホワイトハウスは「プランB」を考えていないと述べた。
バイデン氏とマッカーシー氏が協議したのは2月1日以来だった。
ただ、マッカーシー氏は双方が実務者による週内の協議と、バイデン氏と議会指導部による12日の再協議で合意したと明らかにした。上院共和党トップのマコネル院内総務は記者団に、歳出削減なしに債務上限を引き上げることはないと強調した。
全米商工会議所はこの日、債務上限について早期に超党派で合意をまとめるよう訴えた。
米債券市場では、政府資金が枯渇するとみられる時期に満期を迎える短期国債が売られた。
イエレン財務長官は8日、議会が連邦債務上限の引き上げに失敗した場合には、米経済に大きな打撃を与え、世界の基軸通貨としてのドルを弱体化させることになるだろうと警告した。