[香港 1日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが1日発表した上半期決算は、世界的な金利上昇とフランス事業の売却により、利益が2倍以上に増えた。同社は主要な業績目標を引き上げ、20億ドルを上限とする自社株買いを即時開始すると発表した。
上半期の税引前利益は217億ドルと、前年同期の92億ドルから急増。HSBCがまとめたブローカー平均予想209億ドルも上回った。
同社は短期の有形株主資本利益率(RoTE)目標を、2023年と24年については少なくとも10%台半ばとし、23年以降少なくとも12%としていた従来目標から引き上げた。22年のRoTEは9.9%だった。
また、1株当たり0.1ドルの中間配当を支払うと発表した。
同社は、不透明な経済見通しを踏まえ、特に主要7カ国(G7)の中で最も高いインフレ率と着実に上昇する金利が家計を二重に圧迫している英国では多くの顧客に痛みが訪れるとの見方を示した。
ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は「今後6カ月の間に、より多くの住宅ローン利用者が定期契約を終了する予定であり、さらなる金利上昇が予想されるため、より厳しい時代が待ち受けている」と述べた。
上半期の貸倒損失は13億ドルと、前年同期の11億ドルから増加した。中国の商業用不動産セクターと英商業銀行へのエクスポージャーが要因。