Saeed Azhar
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ヤン・ハチウス氏は13日、中国の不動産部門で問題が起きているが、政府の銀行支援で2008年のリーマン・ショックのような金融危機は回避できるとの見方を示した。
同氏はゴールドマン主催の会議の合間にロイターに対し「リーマン・モーメントは金融不安がいかに大きな損害をもたらすかを教えてくれる。その後何年にもわたる経済低迷は甚大なものだった」と指摘。
「中国の政策当局はそうした事態を回避することを非常に重視している。不動産市場の低迷で直接打撃を受けている銀行などのセクターに積極的な金融支援を行うだろう」と述べた。
同氏は、リーマン・ショックを悪化させた規模の金融レバレッジや広範なデリバティブの利用は中国では見られないと指摘。
ただ、人口の伸び悩みや高齢化などを背景に中国経済は長期的に減速し、1990年代の日本の経済停滞のような状態になるとの見方を示した。
米経済については、今年、景気後退を回避できるが、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始するには少し時間がかかると予想した。