[ワシントン 19日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が19日に発表した2023年12月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.0%減の378万戸と10年8月以来、13年4カ月ぶりの低水準となった。ロイターがまとめた市場予想は横ばいだった。減ったのは2カ月ぶり。
中古住宅販売は契約成立時に計上される。12月の販売戸数は、主力の30年固定金利住宅ローンの平均金利が7%を上回って高止まりしていた2カ月前の契約を反映しているとみられる。
ただ、最近は住宅ローン金利が低下し、中古住宅の在庫も増加する兆しを見せているため、24年中には市場が回復する可能性もある。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、今週の30年固定金利住宅ローン金利の平均は6.60%と8カ月ぶりの低水準となった。前週は6.66%だった。
12月のペースに基づく在庫の消化期間は3.2カ月。前年同月は2.9カ月だった。健全な需給バランスは4─7カ月とされている。
住宅供給が依然逼迫している中で、販売価格(中央値)は前年同月比4.4%上昇の38万2600ドルとなった。4地域全てが値上がりした。
12月に市場に出ていた中古住宅は100万戸と前年同月比4.2%増となった。ただパンデミック(世界的大流行)前の約200万戸を大きく下回っている。
同時に発表した23年の米中古住宅販売戸数は前年より18.7%減の409万戸となり、年間としては1995年以来、28年ぶりの低水準となった。販売価格(中央値)は38万9800ドルと、集計開始後で最高となった。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は、中古住宅販売戸数は12月で底打ちし新年には増加に転じると指摘。「住宅ローン金利はわずか2カ月前と比べて大幅に低下しており、今後数カ月はより多くの在庫が市場に出回ると予想される」と述べた。