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米短期金融市場、3月にも混乱の恐れ 流動性減少と資金需要拡大で

発行済 2024-01-23 13:09
更新済 2024-01-23 13:18
© Reuters. 米短期金融市場が、早ければ3月にも「タントラム(かんしゃく)」を起こす可能性があると一部の銀行幹部は感じている。市場の混乱が連邦準備理事会(FRB)に金融緩和を催促する形

Paritosh Bansal

[22日 ロイター] - 米短期金融市場が、早ければ3月にも「タントラム(かんしゃく)」を起こす可能性があると一部の銀行幹部は感じている。市場の混乱が連邦準備理事会(FRB)に金融緩和を催促する形になるかもしれない。

銀行幹部4人への取材によると、3月から5月にかけて金融システム内の流動性を減少させるイベントと、資金需要を増加させるイベントが幾つも控えている。

3月11日には、昨年の地銀危機に対応して導入されたFRBの貸出制度が期限を迎える。残高は1290億ドル。銀行にとって魅力的な資金調達源が取り除かれることになる。

常設のセイフティーネットであるスタンディング・レポ・ファシリティー(SRF)は、今のところ数行しか利用していない。

同時に、米国債が大量に発行され、3月15日には四半期毎の、4月15日には年間の納税期限が訪れる。加えて、5月には取引の決済速度が迅速化されるため、準備が不十分な企業による短期資金需要が増えるかもしれない。

これら全ての事は、FRBがバランスシート上の債券を処理して金融システムから流動性を着実に吸収し、パンデミック期の景気支援を引き揚げる中で起こる。

BNYメロンのストラテジストチームは、マネー・マーケット・ファンド(MMF)などが翌日物リバースレポを通じてFRBに預けている資金、つまり過剰流動性と見なされている資金が、5月までに2000億ドルを下回り、昨年6月の10分の1に減ると推計している。一部では残高が年央までにゼロに減るとの予想もある。

サウス・ストリート・セキュリティーズのジェームズ・タバッキ最高経営責任者(CEO)は「資金調達ニーズは増加を続け、流動性にひずみが生じ始めるかもしれない。綱渡り状態であり、短期金融市場は少しのことで混乱するだろう」と述べた。

短期市場が突然ひっ迫すれば、金融安定が脅かされかねない。そのため市場の混乱は、FRBに金融緩和を迫るシグナルとなる可能性がある。一部のストラテジストによると、FRBは「量的引き締め(QT)」のペースを緩めるといった対応が考えられる。

利下げはまた別の問題だが、市場はFRBが5月から利下げに着手すると予想している。

FRBは状況を注視しているが、どのような対応を採るかはまだ不明だ。ウォラーFRB理事は先週、現在引き出されていないSRFが利用されれば、流動性ひっ迫の兆候になるだろうと述べた。

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