[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は23日、紅海の物流混乱による欧州連合(EU)経済への影響はまだ見られていないものの、消費者物価高騰や成長減速につながるリスクがあると指摘した。この問題を協議するEU貿易相会合後、記者団に述べた。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃を受け、紅海を通過する船舶が1カ月で22%減少したとし、海運会社がアフリカ大陸を回るルートに変更しているため減少は加速すると指摘。欧州委が状況を注視していると述べた。
「今のところエネルギー価格やモノの価格全般への影響は見られない。だが輸送価格には既に影響が及び、上昇している」とし、「明らかにリスク要因だ」と語った。
その上で「消費者物価やEU経済全般への影響は危機がいつまで続くかに大きく左右されるため、迅速な対応が必要だ」とした。
また、欧州委が2月に公表する最新の経済見通しで、紅海の物流混乱の影響を考慮する必要があるかもしれないと述べた。