Steven Scheer
[エルサレム 14日 ロイター] - イスラエルは、昨年10月にイスラム組織ハマスと戦闘に入って以来、経済が急激に落ち込んだ。しかし足元では回復の兆しが見られ、今年は小幅ながらプラス成長を維持して来年には力強く成長するとの予想が示されている。
10月7日にハマスから奇襲攻撃を受けた後、イスラエル国民は消費や旅行を控え、数十万人が予備役に動員されるとともに、数千人のパレスチナ人労働者が解雇された。
19日に発表される昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は2桁台のマイナス成長になると予想されている。個人消費や建設などの投資に加え、サービス輸出の落ち込みが響く見通しだ。
消費者信頼感は2020年の新型コロナウイルスのパンデミック発生時以来の低水準となっており、インフレ率は3%に減速した。
しかし現在は、ガザで戦闘が続いているにもかかわらず、予備役数千人が復員し、ショッピングモールやレストランでは客足が戻っている。
バンク・レウミの首席エコノミスト、ジル・ブフマン氏は「景気は回復しているようだ」と述べた。
昨年の成長率は2%前後、今年は0.5ないし2%の予想。戦闘がガザに限定され、早期に終結するなら来年は力強い回復が見込まれており、ブフマン氏の予想は5.5%成長、イスラエル中央銀行は5%だ。
ネタニヤフ首相の首席経済顧問、アビ・シムホン氏はロイターに、「経済面で根幹的な問題には直面していない。それどころか経済は底堅い」と述べ、1月は税収が予想を上回ったため単月の財政収支が黒字になったと指摘した。
イスラエル中銀のヤロン総裁は今週、「イスラエル経済は力強く健全なファンダメンタルズに根差しており、イノベーションと技術の分野で世界のリーダーだ」と強調した。