ニューオーリンズの第5巡回区控訴裁判所は、退職年金制度に環境・社会・企業統治（ESG）を考慮することを認める米労働省規則の合法性について、火曜日に弁論を行う予定である。この訴訟は、最近の連邦最高裁判決を受けて裁判所が連邦規則をどのように解釈するかを示す初期の指標となるだろう。
問題となっている規則は、401(k)やその他の従業員退職年金制度において、他の財務指標が同等である場合に、投資判断の決定要素としてESG要素を使用することを認めている。この規則は、労働省のESG投資に対するスタンスが年々変化しており、尊重されるべきではないとして、共和党が主導する25の州によって争われてきた。
以前、マシュー・カックスマリク連邦地裁判事は、シェブロン・ディファレンス（裁判所が執行する法律の解釈を支持するよう導いてきた学説）を発動し、この規則を支持していた。
しかし、6月に最高裁が下したローパー・ブライト・エンタープライゼス対ライモンド訴訟の判決は、それ以降、裁判官に独自の判断を適用するよう指示し、法的状況を変えた。
最高裁の判断は、政府が様々な分野で新たな規制を実施する能力に大きな影響を与える可能性がある。ESG規則をめぐる裁判では、第5巡回区が最高裁からのこの新しい指示にどうアプローチするかが試される。
法律の専門家たちは、この裁判所の判断が今後、政府機関の規則に異議を唱える裁判の先例となる可能性があるため、注視している。モルガン・ルイス＆ボキウス法律事務所のジュリー・スタペル弁護士は、ESG規制を支持する際に裁判長がシェブロンに依拠したことから、この裁判はこのような紛争に対する裁判所の新たなアプローチの初期の指標となる可能性があると指摘した。
この規則は、投資決定に政治的要素を持ち込むことで、労働者の退職貯蓄の財政的安全性を損なう可能性があるとの批判があり、論争の的となっている。この規制は、1億5千万人以上の労働者と退職者のために総額12兆ドルを運用する年金制度に影響する。
第5巡回区は歴史的に保守的で、近年はしばしばシェブロン・ドクトリンから遠ざかっている。このような背景が、今回の最高裁判決への対応に影響しているのかもしれない。
従業員福利厚生を専門とするキャサリン・コーン弁護士は、シェブロン・ドクトリンの下でも第5巡回区は規則を取り消す方法を見つけたかもしれないが、ローパー・ブライト判決は州の立場に同調する能力を単純化した、と示唆した。
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