[11日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは、今年の世界経済の成長率が2.9%と昨年の半分以下にとどまるとの見通しを示した。ウクライナ紛争や中国での新型コロナウイルス感染急増などによるリスクを理由に挙げた。
モルガン・スタンレーの予測はコンセンサス予想を約40ベーシスポイント(bp)下回る。
同社のエコノミストは10日付のリサーチノートで「減速は世界的なものだ。財政刺激策の減退、金融政策の引き締め、新型コロナによる足かせ、供給網の目詰まり、ロシアのウクライナ侵攻の影響など複合的な要因による」と説明した。
ウクライナ紛争は解決の可能性が低く、主要な中央銀行はインフレ対策で既に成長を抑制しようとしているとして、経済成長の上振れは限定的との見方を示した。
成長鈍化は広範囲に及び、実質的な減速を回避できるのは日本とインドのみと予想した。
「世界の成長率が予想期間内に新型コロナ危機前のトレンドに戻るとはみていない」とした。