[パリ 16日 ロイター] - フランスのボルヌ首相は16日、エネルギー大手トタルエナジーズの製油所で数週間前から続くストライキにより、ガソリンスタンドでの燃料供給がさらに減っているとし、従業員への業務復帰命令を拡大する可能性を示した。
インフレ高進を背景に、従業員らは賃上げを要求してストに突入しており、複数の労働組合はゼネストも要求。マクロン政権は高まる社会不安に直面している。
ボルヌ氏はテレビインタビューで「ガソリンスタンドの約30%で、少なくとも1種類の燃料の供給が支障を来している」と説明。「(従業員は)職場に復帰しなければならない」と述べ、17日も緊迫した状態が続けば新たに業務復帰命令を出す可能性があるとした。
業務復帰命令は、最低限のサービスを再開できるよう職場に戻ることを命じるもので、政府は一部従業員について12日から開始した。政府データによると、燃料不足に陥っているガソリンスタンドの割合は12日に30.85%だったのが、15日時点では27.3%となっている。
ボルヌ氏はまた、ガソリンスタンドで燃料を1リットル当たり0.3ユーロ値引きする制度を、11月半ばまで延長する方針を示した。従来は11月1日から値引き幅を同0.1ユーロに縮小する計画だった。
製油所ストは野党を勢いづかせており、ボルヌ氏は、政府が2023年度予算法案を成立させるために議会採決を迂回できる憲法上の特別な権限を用いる可能性が高いと述べた。