■要約
パイプドHD (T:3919)は純粋持株会社であるが、主要な連結子会社である(株)パイプドビッツは、自社製品である「SPIRAL(R)」というプラットフォーム(ミドルウェア)をクラウド型で提供するユニークなIT企業である。
ナショナルクライアントをはじめとする大企業や中堅企業、中小SIer(システムインテグレーター)向けにプラットフォームの提供をするだけでなく、特定の業界(美容業界や建築業界など)向けに自社開発したアプリケーションの販売やそれを使った事業展開も行っている。
1. 2018年2月期決算は広告事業が計画を下回ったことから営業利益は前期比11.2%減
2018年2月期は売上高5,143百万円(前期比7.1%増)、営業利益750百万円(同11.2%減)、経常利益749百万円(同13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益457百万円(同13.2%増)となり、若干だが中間期時点の予想を下回った。
主な要因は広告事業が予想を下回ったことだが、主力の情報資産プラットフォーム事業は順調に拡大しており、大きく懸念される内容ではなかった。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益が増益となったのは、前期に発生した特別損失(減損損失、セキュリティ事故対応費用など)が消失したことによる。
2. 2019年2月期は33.4%の営業減益予想だが、次期に向けての人材投資によるもの
進行中の2019年2月期は売上高5,800百万円(前期比12.8%増)、営業利益500百万円(同33.4%減)、経常利益490百万円(同34.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益300百万円(同34.5%減)が予想されている。
売上高は順調に伸びる見込みだが、3ヶ年の中期経営計画の最終年度に向けて引き続き人材を中心として積極的な投資を行うことから、大幅な減益が予想されている。
ただし、これらの投資は中期経営計画の最終年度に飛躍するための前向きな投資であり悲観する内容ではない。
3. 中期経営計画の目標は2020年2月期に売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円は変更なし
3ヶ年の中期経営計画が発表されているが、目標は2020年2月期に売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円となっている。
計画最初の2ヶ年(2018年2月期及び2019年2月期)に採用した人員が最終年度に大きく寄与する計画であることから、当初の予想を変えていない。
計画どおりに進めば利益の変化率は大きくなるので、今後の動向からは目が離せない。
■Key Points
・自社開発した「SPIRAL(R)」というプラットフォームを軸に事業展開
・2019年2月期は減益予想だが次期へ向けての布石であり、懸念される内容ではない
・中期経営計画の目標(2020年2月期売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円)には変更なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
パイプドHD (T:3919)は純粋持株会社であるが、主要な連結子会社である(株)パイプドビッツは、自社製品である「SPIRAL(R)」というプラットフォーム(ミドルウェア)をクラウド型で提供するユニークなIT企業である。
ナショナルクライアントをはじめとする大企業や中堅企業、中小SIer(システムインテグレーター)向けにプラットフォームの提供をするだけでなく、特定の業界(美容業界や建築業界など)向けに自社開発したアプリケーションの販売やそれを使った事業展開も行っている。
1. 2018年2月期決算は広告事業が計画を下回ったことから営業利益は前期比11.2%減
2018年2月期は売上高5,143百万円(前期比7.1%増)、営業利益750百万円(同11.2%減)、経常利益749百万円(同13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益457百万円(同13.2%増)となり、若干だが中間期時点の予想を下回った。
主な要因は広告事業が予想を下回ったことだが、主力の情報資産プラットフォーム事業は順調に拡大しており、大きく懸念される内容ではなかった。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益が増益となったのは、前期に発生した特別損失(減損損失、セキュリティ事故対応費用など)が消失したことによる。
2. 2019年2月期は33.4%の営業減益予想だが、次期に向けての人材投資によるもの
進行中の2019年2月期は売上高5,800百万円(前期比12.8%増)、営業利益500百万円(同33.4%減)、経常利益490百万円(同34.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益300百万円(同34.5%減)が予想されている。
売上高は順調に伸びる見込みだが、3ヶ年の中期経営計画の最終年度に向けて引き続き人材を中心として積極的な投資を行うことから、大幅な減益が予想されている。
ただし、これらの投資は中期経営計画の最終年度に飛躍するための前向きな投資であり悲観する内容ではない。
3. 中期経営計画の目標は2020年2月期に売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円は変更なし
3ヶ年の中期経営計画が発表されているが、目標は2020年2月期に売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円となっている。
計画最初の2ヶ年(2018年2月期及び2019年2月期)に採用した人員が最終年度に大きく寄与する計画であることから、当初の予想を変えていない。
計画どおりに進めば利益の変化率は大きくなるので、今後の動向からは目が離せない。
■Key Points
・自社開発した「SPIRAL(R)」というプラットフォームを軸に事業展開
・2019年2月期は減益予想だが次期へ向けての布石であり、懸念される内容ではない
・中期経営計画の目標(2020年2月期売上高7,300百万円、営業利益1,700百万円)には変更なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)