[チューリヒ 29日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)拡大理事会メンバーのマーティン・シュレーゲル氏は29日、マイナス金利政策について、長期的に維持し、一段の深掘りを実施する余地があるとの見解を示した。
スイス中銀は9月、主要政策金利と中銀預金金利をマイナス0.75%に据え置くことを決定。長期にわたり超低金利スタンスを維持する姿勢を示した。同時にマイナス金利の影響を和らげるため、銀行の準備金にマイナス金利を適用する基準を緩和した。
シュレーゲル氏はチューリヒで開かれた会合で、中銀はマイナス金利政策に引き続きコミットしていると表明。9月の決定を受け「マイナス金利政策の長期的な維持のほか、一段の深掘りを行う余地が生まれた」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の金融緩和に対応してスイス中銀も利下げを検討するかとの質問に対しては、世界的な情勢を見極めてから適切に判断すると回答。「マイナス金利政策については多くの批判が聞こえている」としながらも、スイスフラン相場の上昇抑制に「中心的な」役割を果たす政策で、「マイナス金利政策は重要であるとわれわれは考えている」と述べた。
その上で、住宅価格上昇などマイナス金利の副作用はスイス国内では確認されていないと指摘。「中銀がマイナス金利政策を解除し、政策金利をゼロ%とした場合、当然スイスに悪影響が及ぶ。スイスフラン相場は大きく上昇し、債券の利回り曲線は逆転もしくは平坦化し、銀行システムの阻害要因となる」と述べた。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191029T155015+0000