[東京 14日 ロイター] - 西村康稔経済財政相は14日の閣議後会見で、17日公表予定の2019年10-12月国内総生産(GDP)1次速報について、消費増税や暖冬などが個人消費に影響したため7-9月期と比べてマイナスになる可能性が高いとの見通しを示した。記録的な暖冬に加えて新型コロナウイルスの感染拡大も新たな景気の下押し要因と指摘した。
<10-12月期、増税、台風、暖冬影響>
西村経財相は19年10-12月期の経済状況について、「公需は増加基調で下支えしている一方、2014年の前回消費増税時ほどでなかったにせよ、増税に伴う(消費の)振れ、10月の台風、暖冬の影響などから、個人消費を中心にGDPは7-9月の水準より低くなる可能性が大きい」と明言した。
2014年は4月の増税で2四半期連続マイナス成長となったが、今回の増税では「軽減税率など十分な対応策を打ってきたので、20年1-3月以降は増税の影響からの回復が見込まれる」と説明。一方、「引き続き1月の記録的暖冬で冬物衣料がなかなか売れていない。新型コロナウイルスの影響という新たな下押しのリスクが出てきている」と警戒した。
<緊急度に応じて必要施策臨機応変に>
政府は13日、新型コロナウイルスに対する緊急対策をまとめたばかりだが、西村経財相は追加の経済対策の必要性に関しては、補正予算などの早期執行に意欲を示すと同時に、「観光業を中心に経済への影響を十分注視し、状況を見ながら緊急度に応じて必要な施策を臨機応変に講じていく」と強調した。部品供給が止まった場合などの支援策については成立済みの補正予算で対応していると強調した。
環太平洋経済連携協定(TPP)参加に前向きなタイに対して、機会があれば関係閣僚と会談し、新規加入の動きを支援したいと述べた。新型コロナウイルスにより中国を含む製造業のサプライチェーンに影響が出ているのを踏まえ、TPP加盟国などとの重層的なサプライチェーンが重要との認識を示した。
*内容を追加しました。
(竹本能文 編集:高木匠)