[ニューヨーク 20日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズと格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、新型コロナウイルスの感染拡大はクルーズ船運航会社の格付けに対するリスクとなるとの見解を示した。
中国を発生源とする新型ウイルスの感染拡大を受け、クルーズ船運航大手のカーニバル (N:RCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ (N:CCL)は前週、アジア地域での運航中止による業績への影響は想定よりも大きくなるとの見方を表明。ノルウェージャン・クルーズ・ライン (N:NCLH)もこの日、運航中止や顧客への払い戻しなどにより調整後の通年の1株当たり利益に0.75ドルの影響が出るとの見通しを示した。
ムーディーズはカーニバルとロイヤル・カリビアン・クルーズが受ける可能性のある業績への影響は「クレジットネガティブ」としている。ただ現時点では格付けは変更されていない。
S&Pグローバルは「カーニバルは中国に重点を置いているため、財務の面ではカーニバルが最も大きな影響を受ける」とした。
横浜港に検疫のため停泊し、新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」はカーニバル子会社が運営している。
格付け会社フィッチ・レーティングスはクルーズ船運航会社の格付けは公表していないが、新型ウイルスの感染拡大による影響は一時的なものとの見方を示している。