[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会は3日夜に電話会議を行い、新型コロナウイルスの影響を巡って議論した。ただ、政策措置は議題にならなかった。5人の関係者がロイターに明らかにした。
関係筋によると、会議は米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げ後に開催された。
関係筋は、FRBの緊急利下げを受けて、ECBへの利下げ圧力が強まっていると指摘。ただECBは依然として、3月12日の次回の定例理事会までは、行動に出るつもりはないとみられるという。
関係筋によると、ECB理事会は電話会議で、パニックに陥ったユーロ圏市民が手元現金を積み増し始めた際に、現金の十分な流通を確保することなど、ユーロ圏の19の中央銀行が緊急時にどのように協力するかについて意見交換を行った。
その他、イベントのキャンセルや人手不足への対処のほか、新型ウイルスの感染拡大による経済への影響について各国からより詳細な情報を収集することなども議論されたという。
一方、FRBのように政策措置を打ち出すべきかどうかについては議論されなかったもようだ。関係筋によると、政策当局者は、新型ウイルスへの対応は主に各国政府の役割と認識しているという。
ECB報道官はコメントを控えた。
市場は、ECBが来週の理事会で、マイナス0.5%の預金金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げることを、ほぼ完全に織り込んでいる。
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