[ロンドン 4日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー次期総裁は4日、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業に対する支援策が必要になるとの考えを示した。
ベイリー氏は議会財政委員会で、総裁就任後は新型ウイルス対策を最優先事項に据えると表明。「金融政策の重要性を引き下げるわけではない」とした上で、「新型ウイルスによる衝撃で多くの活動が阻害されないよう、それほど遠くない将来に、何らかの形の供給網支援を提供する必要が出てくると予想することは理にかなう」と述べた。
その上で、特に中小企業に対する迅速な支援が必要になるとの見方を示した。
ベイリー氏は現在、金融行為監督機構(FCA)長官を務めており、16日付で中銀総裁に就任する。市場では、新総裁就任後初めてとなる26日の金融政策委員会前に利下げが決定される可能性もあるとの見方が出ている。
米連邦準備理事会(FRB)は3日、17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに50ベーシスポイント(bp)の緊急利下げを決定した。
ベイリー氏は金融政策に関し、英中銀が政策金利を現行の0.75%から約0.1%ポイント引き下げる可能性があるとの政策当局者の見解を踏襲した。
またフェイスブックが導入を計画している暗号資産(仮想通貨)「リブラ」については、FCAの規制当局と英中銀がリブラの開発者に裏付け資産に関して質問したが、「完全で明確な回答を得ることができなかった」として、依然としてかなり懐疑的な見方を持っているとした。
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