[ロンドン 14日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は14日、マイナス金利政策の採用を完全に排除はしなかったものの、英中銀は現時点で採用に向け「極めて大きな一歩」を踏み出すことは検討していないと述べた。
ベイリー総裁は英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が主催したオンラインセミナーで「特に現在のような状況下では何事も排除しないことが賢明だ」としながらも、「(マイナス金利政策の採用は)現時点では計画、もしくは検討していない」と述べた。
マイナス金利政策は欧州中央銀行(ECB)や日銀などが採用しているが、効果はまちまち。ベイリー総裁は、英国でマイナス金利政策を採用するには「大掛かりなコミュニケーション対応」が必要になるとし、英中銀にとり「極めて大きな一歩」になると語った。
英中銀は3月に2回の利下げを実施し、政策金利は現在0.1%と、過去最低水準にある。
ベイリー総裁は、新型コロナウイルス感染拡大の初期の時点で、経済に破壊的な影響が及ぶのを食い止めるために英中銀を含む世界の中央銀行が協調的な措置を講じたことで、金融市場は安定化したとの認識を表明。ただ、「基調的な脆弱性」はなお存在していると警告した。