By Noreen Burke
Investing.com -- 米国のいくつかの州では新型コロナウイルスの感染者が再び増加しており、2020年の下半期のメインの悪材料となりそうだ。米国の経済指標では、9日(木)に週次の新規失業保険申請件数があるが、材料に欠ける一週間である。また今週は英国のEU離脱協議の他、今月末のEU首脳会議に先立ち、EU復興基金に関する会合が行われる。
新型コロナの第2波
米国ではフロリダ州とテキサス州で特に新型コロナウイルスの感染者増加が著しい。米ワシントン・ポストは5日(日)、過去一週間の新規感染者数が1日あたり平均4万8600人と報道している。これは27日間連続で過去最多を記録している。
ゴールドマンサックス(NYSE:GS) のアナリストの最新のレポートでは、米国の40%以上は経済再開を再び中止に強いられるとし、新型コロナの第2波の影響は投資家にとって無視できない問題だ。
米国の経済指標は材料に欠ける
6日(月)にISM非製造業景況指数(総合)が発表される。エコノミストは予想50.0と分岐点まで回復すると予想している。一方総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)の発表もある。
9日(木)の新規失業保険申請件数は減少しているものの高い水準であることには変わらず、依然として注目される指標になるだろう。エコノミストは、労働市場の回復は長期戦になることを警告している。
また、9日(土)にはWalgreens Boots Alliance (NASDAQ:WBA)が四半期決算を発表、10日(金)には生産者物価指数(PPI、6月)が発表される。
下半期がスタート
2020年前半の米国株は高水準で終え、景気回復とワクチンへの期待の中下半期に突入する。
欧州と中国の経済データも回復が進んでいることを示しており、今後の決算シーズンは底打ちを示す可能性もある。
しかし、懸念材料は耐えない。米国では、7月31日に失業保険手当を週に600ドル追加する対策を停止する。また、11月の米大統領選挙では、民主党のジョー・バイデン氏が世論調査でのリードを広げた場合は特にマーケットも不安定な展開になるだろう。EUではEU復興基金案が合意には至っていない。
ユーロ圏の課題
欧州連合(EU)が第二次世界大戦以来最悪の不況に直面している。EUでは、ドイツが7月1日に2020年下半期のEU議長国に就任した。
EUの課題としては6月サミットで復興基金の合意に至らなかったことや、英国のEU離脱協議などがある。
9日(木)に開催されるユーロ圏財務相会議は、7月17-18日に迫ったEU首脳会議を前に、復興基金の合意に向けての動向に注目されるだろう。
ドイツのメルケル首相は2日、復興基金の早期承認に向け各国政府に歩み寄りを強く求めた。3月以降、ユーロは5%以上上昇しているが、今後の進展次第で楽観論は薄れるだろう。
ブレクジット
EU側の交渉を担うバルニエ首席交渉官は30日、EUの単一市場への完全なアクセスを認めるという英国の提案を「受け入れられない」という考えを示した。
英国とEUは今週ロンドンで会談を再開する予定だが、大きな進展は見られなそうだ。
英国は1月31日にEUを離脱したが、年末に移行期間の期限が迫っているEU単一市場と関税同盟に関してほとんど進展がない。