[9日 ロイター] - 香港の民主派議員は9日、親中派が議事進行の妨害を訴えた4人の野党議員に関して中国が資格を剥奪するとの報道を受け、集団辞職すると警告した。
香港のニュースサイト「HK01」は、中国が今週中に、4人の資格を剥奪する可能性があるとする関係筋の話を報じた。親中派は4人の議員に関して、香港立法会(議会)における法案通過を妨げるために議事進行を妨害したと指摘していた。
議事進行妨害は香港でよく使われる手段だ。報道は法案通過を妨害した具体的な例は明らかにしなかった。中国がどのような法的手段を用いて資格を剥奪するかについても言及しなかった。香港政府はコメントの要請にすぐには応じなかった。
民主党の胡志偉主席は「集団辞職は、一方ではわれわれの団結を示し、他方では中央政府と香港政府の独裁主義を示す」と述べた。
民主派は立法会の70議席中19議席を有する。
香港では1週間前、5月の立法会の議事進行妨害に関連して主要な民主派政治家8人が逮捕された。
HK01が9日に報じた4人は逮捕された8人に含まれていない。9月に予定されていた立法会選挙で出馬資格を奪われた12人に含まれている。香港政府は新型コロナウイルスを理由に選挙を1年間延期。それに伴い議員の任期も1年延長された。
香港は昨年6月に反政府抗議活動が勃発し数巡年ぶりの危機に苛まれており、それ以降、香港と中国の当局は、反対勢力の取り締まりを強化している。
香港政府の批評家は、政府が自由を奪ったと指摘するほか、9月の選挙を延期したことを非難。民主派政党は選挙で議席を大幅に増やすことを目指していた。香港での反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が6月30日に施行されて以来初めての選挙となるはずだった。当局者は国安法について、反政府抗議活動で混乱に陥った香港を安定させるために必要だと主張している。