[マドリード/フランクフルト 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事とデコス・スペイン中銀総裁は13日、新型コロナウイルス感染症ワクチン開発の進展は安心感をもたらすものの、感染抑制に向けた新たな規制措置でユーロ圏経済が打撃を受ける恐れがあるとし、前日のラガルド総裁に続き慎重な立場を示した。
新型ウイルス感染症ワクチンを巡っては、米製薬大手ファイザー (N:PFE)が9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック (O:BNTX)と共同開発するワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表。
ECB理事会メンバーでもあるデコス総裁は「投資家、消費者信頼感、および経済活動の観点から、極めて前向きなニュースだった。ただ慎重でありたい。短期的に欧州全土で(感染抑制に向けた)規制が継続される」と述べた。
シュナーベル専務理事はCNBCのインタビューに対し、ファイザーの発表は「素晴らしいニュース」だったとしながらも、感染抑制に向けた新たな規制は「第4・四半期、および来年第1・四半期の見通しに対する大きな重しになる」と語った。
ECBは経済成長率について、2020年はマイナス8.0%、21年はプラス5.0%、22年はプラス3.2%と予想。ただデコス総裁は、ECBの見通しには感染第2波の影響は織り込まれていないと述べた。
ラガルドECB総裁は前日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長とイングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁も参加したパネルディスカッションで、「ワクチンの生産と配布についてはまだ不確実性があるため、それほど熱狂したくない」と述べた。