[ワシントン 19日 ロイター] - IHSマークイットが19日に公表した2月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は58.5と、1月改定値の59.2から低下した。市場予想と一致した。
世界的な半導体チップの不足で自動車生産が打撃を受けたことが影響したとみられる。製造業の投入価格と産出価格は急上昇し、物価が今年大幅に上がるとの懸念が高まる材料になり得る。
製造業PMIは、多くの地域が厳しい天候に見舞われたことも低下要因だった。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により供給業者と製造業者はともに労働者に影響が出ており、モノの生産に必要な材料が不足する事態となっている。自動車メーカーは半導体チップの不足が影響し、一部のメーカーは今月、組立工場を一時的に閉鎖した。
供給網の混乱は広範な製造業とサービス業に及んでおり、原材料費を含む投入価格が上昇している。
製造業PMIのうち投入価格を示す指数は11年4月以来の高水準を付けた。製造業者は費用の増加を消費者に転嫁している。産出価格を示す指数は08年7月以来の高水準だった。
製造業の伸びが減速する一方、サービス業は伸びが加速した。サービス業PMIは58.9と、1月改定値の58.3から上昇し、15年3月以来の高水準となった。新型コロナの新規感染・入院件数がペースを落とす中で、当局がレストランやその他サービス事業の一部規制を緩和した。
サービス業の加速を反映し、製造業とサービス業を合わせた米総合PMIは58.8と、1月改定値の58.7から小幅に上昇した。
IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、「懸念されるのは、企業のコストが急増し、モノやサービスの販売価格が調査開始以来のペースで上昇し、一段の物価上昇を示唆していることだ」と述べた。
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