[25日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンス総裁は25日、米国で最近高まっているインフレについて、一部の著名エコノミストが警鐘を鳴らすような望ましくない高水準に達する公算は小さいとし、現行の緩和政策に対し全面的な支持を再表明した。
エバンス総裁は、日銀金融研究所主催のオンライン会合向けの講演で「金融政策の緩和的なスタンス、もしくは金利のフォワードガイダンスに対する私の全面的な支持を変更させるような材料は確認していない」と述べた。
政府の支出拡大によってインフレ期待が最近押し上げられたことは「歓迎すべき」動向で、インフレが制御不可能な状況に向かうことを示唆しているわけではないと指摘。新型コロナウイルス禍のパンデミック(世界的大流行)の影響で落ち込んでいた物価のベース効果や財政支援策の効果が薄まれば、「インフレが2022年とそれ以降に容認できないような水準に上昇し、持続するというリスクは低い」との認識を示した。
ローレンス・サマーズ元財務長官は先週、米連邦準備理事会(FRB)が物価と経済に対する「恐るべき油断」を生み出しているとの考えを示した。